その症状もしかして? 胸郭出口症候群
2017年03月6日
こんにちは!
さかき接骨院 榊原です。
今回は胸郭出口症候群についての事例をお話しします。
みなさんは『胸郭出口症候群』(きょうかくでぐちしょうこうぐん)という症状を聞いたことはありますか?
なかなか聞いたことがないと思いますが、症例としては結構多いのです。
なで肩の女性に多いといわれているのが 『胸郭出口症候群』(きょうかくでぐちしょうこうぐん)です。
しかし、実際は男性にも多くみられます。
胸郭出口症候群は、さまざまな原因で、神経の通り道が狭くなり、血管や神経を圧迫するため、『肩こり』『腕や手のしびれ』『手の血行不良(冷えやダルさ)』などの症状がでます。
『肩こり』『腕や手のしびれ』『手の血行不良(冷え)』って結構よく聞く症状ですよね?
耳鳴り、ふらつき感、後頭部から耳、口のあたりにピリピリなどシビレ感がでることもあります。
頚椎症、頸椎ヘルニアに異常が見当たらないのに症状がある場合に疑ってみます。
では、なぜこのような症状が出るかというと、
図を見てもらうと『中斜角筋』『前斜角筋』『第1肋骨』の間を『斜角筋隙(しゃかくきんげき)』といいこの狭い間を『腕神経叢』という神経の束と『鎖骨下動脈』が通ります。
ここの筋肉(中斜角筋、前斜角筋)が張ることによって骨(第1肋骨)に圧迫します。
もう一つが『小胸筋』が張ることによって『肋骨』『肩甲骨の烏口突起』に押しつけ圧迫することで症状が現れます。
本巣市 Nさん 男性の事例
バイクに乗る仕事が多く、トレーニングジムで筋トレを週4で行う。
初診時、頸部の疼痛、左肩の疼痛、左上腕部から小指のしびれ、頭痛を訴え来院。
来院の数日前より症状が現れ、睡眠時も痛みシビレがひどく頻繁に起きてしまい仕事にまで影響が出るようになり来院に至る。
検査時
モーリーテスト 前斜角筋を圧迫し痛みを感じ陽性(+)しびれが悪化したので(++)陽性とします。
アレンテスト 患側の肘関節を90度曲げてバンザイ姿勢を保持させ患側とは反対側に首を回し脈を触ります。
撓骨動脈の拍動が減弱し、しびれが強まり陽性
ルーステスト バンザイ姿勢で肘関節を90度曲げて保持し手をグーパーさせ3分経つ前に左腕が下がり冷感が現れたため陽性
テストをしてみて中度~の胸郭出口症候群と判断。
治療法
初診時から斜角筋群と小胸筋へのアプローチ、肩甲骨の可動域を出すために姿勢矯正の整体を行いました。
肩の可動域が改善され、もともとの猫背(不良姿勢)の改善を体感されました。
施術中に血流がよくなる過程を体感され指先が温かく感じ、痺れが軽減しました。
今回シビレと血流障害が強くでていた為、斜角筋隙に直接HV治療でアプローチしました。
2診目 痺れと手先の冷感が軽減し、夜起きるなどなく睡眠時が安定
初診と同様に姿勢矯正とHV治療を行いました。
3診目 初診時の頸部の疼痛、左肩の疼痛、左上腕部から小指のしびれ、頭痛、睡眠の悩みが改善し
テスト時モーリーテストは痛みが若干ある程度で(+)シビレは消失 ルーステスト、アレンテストは異常なし
姿勢矯正のみを行いました。
4診目~ 仕事、トレーニング、睡眠の日常生活に影響することがなくなりました。
以前から猫背など不良姿勢が気になっていたので再発防止もかねて、現在姿勢矯正で治療中。
メンテナンス
首のストレッチです。
患側(伸ばしたい側)の腕を後ろに組みます。
首を(患側を右とした場合)左上方を見るように(伸びている事を意識しながら)ストレッチします。
左右10秒×3セットやりましょう。
次に胸のストレッチです。
壁を利用して腕を後ろに伸ばします。
ポイントは手のひらを下に向けてストレッチします。
胸の筋肉が伸びる意識をしながら10秒×3セット
次は手のひらを壁側に向けて同じように10秒×3セットやりましょう。
次は肩甲骨の動きを改善する為に肩グルグル体操をします。
肩の上にあるでっぱりを指先で触るようにして
肘で円をゆっくり描くように前まわし、後まわしを10秒×3セットやりましょう。
首、肩、胸、肩甲骨をストレッチすると症状の改善や予防にもなりますので、
ぜひやってみださい。
『肩こり』『腕や手のしびれ』『手の血行不良(冷えやダルさ)』の症状は放置して症状が悪化すると治療期間も長くなります。
それに精神的なストレスなども加わり日常動作に影響したりします。
我慢せず自身の健康面に向き合いましょう。些細な相談もお気軽にご相談ください。(*^^*)